当社では、顧客の要請により油層シミュレーションの業務支援を目的として油層技術者を顧客の現地鉱業所に派遣しています。現地では、油層シミュレーション業務全般を担当し、油層技術者の一員として、顧客の技術者と意思疎通を図りながら、業務を進めています。当社の技術者には、特に技術的見地から支援を行うことが求められています。
主な業務内容は、新規データ取得に伴う油層モデルの更新作業および将来生産予測計算です。油層モデルの更新作業には、各種フィールドデータや実験データの分析および解釈、入力パラメータの準備などを含み、油層工学に基づいた合理的な説明が要求されます。このモデル構築手法の説明は、予測計算結果の妥当性および信頼性を示すことに直結するため、特に重視される部分であり、その設計には油層工学に関する専門知識とあらゆるタイプの油層評価の経験が必要となります。
構築された油層モデルは過去の生産実績がある場合は、ヒストリーマッチング(不確実性のある油層パラメータの修正により坑井生産挙動の実測値と計算値の誤差を最小化する作業)を通して、最終的な将来予測計算に用いられるモデルに修正されます。ヒストリーマッチングは、フィールドによって異なる多種多様な要因により、良好なマッチングを得ることが困難なケースも多く、本プロジェクトにおいても最も苦労している作業の一つです。時には、地質モデルや入力パラメータの作成の段階に遡って検討することもあり、対象油層に関わる深い理解と想像力を駆使して試行錯誤で合理的なマッチングを得る努力を行っています。
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