クライアントは中東産油国沖合の鉱区に権益を持つ日本国内の石油開発会社です。当該鉱区は複数の油貯留層を含み、弊社はそれら全ての貯留層シミュレーションスタディ業務に2000年より携わってきました。
業務内容は通常コア・特殊コア分析データ、坑井テストデータに基づく貯留岩特性評価、流体分析データに基づく貯留層内流体特性評価にはじまり、シミュレーションモデルの構築、生産・圧入実績データに対するヒストリーマッチングまでを主としています。
クライアントはスタディの結果について産油国からの承認を受ける必要があるため、現地での産油国側に対するプレゼンテーションも業務に含まれています。これら産油国との折衝がこの業務の特徴としてあげられます。
産油国側の担当者は元々坑井数が百本を超えるような巨大油田で経験を積んできた貯留層エンジニアでしたが、巨大油田を対象としたシミュレーションモデルの構築に際して通常行われるような作業手順を踏むことを、当該貯留層についても要望してきました。しかし、当該鉱区の貯留層はいずれもそれぞれ2~3坑井が稼働する程度の規模であり、コアサンプル、流体サンプル、坑井テストなど、採取されているデータの数は巨大油田に比べれば圧倒的に不足していました。そこで、近似式などを利用して、必要なデータの不足・欠如を補い、産油国側の要求を満たすシミュレーションモデルを完成することになりました。巨大油田のスタディ経験をもち、研究開発業務にも携わる、弊社の多岐にわたる経験と蓄積が生かされた業務であったと言えるでしょう。
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