クライアントは中東産油国沖合の鉱区に権益を持つ石油開発会社の株主であり,そこで生産される原油のほとんどを日本に輸入しています。当該鉱区の貯留層シミュレーションスタディ業務を過去にも請け負ったこともあり,再び,貯留層シミュレーションスタディ業務を行いました。
当該鉱区では地下資源保護、環境保護、原油回収量増進を推進しており,原油生産に対して水攻法,サワーガス圧入攻法を実施しています。今回のシミュレーションスタディ業務はさらなる増油計画策定に資することを目的としており,クライアントのもつ貯留層シミュレーションモデルを用いて,複数のケース設定に対して将来生産挙動予測計算を行い,それぞれのケースの増油効果を確かめました。
坑井数の多い,開発の進んだ貯留層に対してのシミュレーションスタディ業務ですので,今後の計画として実現可能性のある計算条件設定をクライアントと打ち合わせながら業務を行いました。たとえば既存坑井からの生産をなるべく阻害しないような位置に新規坑井を掘削する,また坑井ごとの最適な生産レートを試行錯誤しながら求める,といったことが要求されます(図1)。
長くはない業務期間でのシミュレーション作業で最適な計画を見つけるためには経験が必要です。巨大油田のスタディ経験をもち、研究開発業務にも携わる、弊社の多岐にわたる経験と蓄積が生かされた業務であったと言えるでしょう。
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